咬み合わせが悪い、睡眠時ブラキシズム（歯ぎしり）や食いしばりによる過剰咬合圧により、歯がしみたり、痛みを感じることがあります。簡単な咬み合わせの調整で済む場合もあれば、歯冠修復や補綴治療により改善する場合、就寝時のマウスピース（ナイトガード）着用が必要な場合、咬筋の緊張を緩和する作用のある蛋白質（ボツリヌストキシン）を注入するなど様々な方法があります。

歯と歯茎の境目に出来る凹んだ窪み

歯と歯茎の境目に出来る凹んだ窪みの事をくさび状欠損と言います。くさび状欠損は、継続的且つ過度な力を加えて歯磨きをしたり、咬み合わせの悪さや、強い咬合圧によって歯頸部エナメル質の破壊を繰り返すことで起きます。
特に歯と歯ぐきの境目は歯質が弱いのでむし歯に罹りやすく、またエナメル質の層が薄くなると歯の神経に刺激が伝わりやすくなります。
くさび状欠損の症状が進むと、知覚過敏でしみたり、人によっては強い痛みが出る場合もあります。また見えやすい箇所の歯となると、審美的な見た目の悪さの問題もあります。欠損した箇所は補修することも可能ですが、歯ぎしりや食いしばりが原因の場合には補修よりも、それらの問題を改善する必要があります。

自覚出来ない就寝中の歯ぎしり

寝ている間の歯ぎしりは、なかなか自分では気づけません。但し、その兆候に気付くことは可能です。例えば、見た目でわかるのが歯が磨り減っている、歯が折れたなどです。他にも、以前治療していた詰め物が取れたり、取れやすくなったということも関連を否定出来ません。冷たいものや甘いものがしみる知覚過敏も、歯ぎしりが関係している場合があります。

歯ぎしりによって顎関節症となったり、顎の骨にも過度な力が加わる為に骨隆起を起こす場合があります。咬む働きをする咬筋が緊張することで、慢性的な頭痛や肩こり、咬み合わせが悪くなることによって顔のシワやほうれい線が深くなることもあります。

無意識のうちに顎に力が入っていませんか？

無意識のうちに顎に力が入っていたり、歯ぎしりすることでストレス発散する癖がついていませんか？
食いしばりは、歯ぎしりと同様に歯がしみたり、痛みを感じることがあります。他にも頭痛やめまい、首や肩凝り、耳鳴りなどの身体症状を起こします。歯ぎしりは主に睡眠中に起こるものですが、食いしばりは日中に無意識のうちに行われます。タイミングとしては、スポーツ中や運転中、また会議や発表の場、面接、接客など人前に出たりする場面で強いストレスを受けた時に、生体の防御反応でストレス発散のために食いしばっている場合があります。

ボツリヌス療法とは

ボツリヌス療法は、無毒化されたボツリヌストキシンという蛋白質を筋肉に注射し緊張を解きほぐしリラックスさせることで、歯ぎしりや食いしばりを緩和したり、口角下がりやガミースマイルなどの改善を行う治療方法です。
咬筋ボツリヌス療法は、歯科学会（日本補綴歯科学会・日本顎関節学会）にて発表されている治療です。