予防・メインテナンス

PREVENTIVE DENTISTRY

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歯医者に通う理由の変化

歯が痛む、差し歯が取れた、入れ歯が合わないなど、症状が出てから歯医者に行くという方も多くいらっしゃいます。これは内科や病院に病気もなく、症状もないのに通院しないのと同じ感覚で捉えているからです。
とは言え病気や症状がないのに、毎年暮れが近づくとインフルエンザワクチン接種を受けたり、年が明けて暖かくなると花粉症の予防処置をしたり、65歳を過ぎると肺炎球菌ワクチンを受けるために通院します。犬も、毎年3月頃から混合ワクチンと狂犬病ワクチンを接種していますね(笑)

最近では目立った症状がなくても、定期的に歯科検診を受けたり、歯石除去・クリーニング、むし歯予防で歯質強化(フッ化物コーティング)を目的に来院される方が増えています。歯を失う最も多い原因が歯周病であることが広く知られ、日頃から口腔衛生を意識する方が多くなったことも理由のひとつです。歯周病は徐々に進行していく病気で、自覚症状がないため『サイレントキラー<静かな殺し屋>』と呼ばれます。進行に気付いた時から治療となると時間がかかり、身体的負担も大きくなります。そうならないためにも「腫れたり、痛くなったら歯医者へ通う」から「歯周病が進行する前に歯医者へ通う」という感覚に変わってきているようです。

気付かないまま進行する歯科疾患

歯の内部には神経(歯髄)があり、外部の刺激を感じ取って脳へ伝える役割を果たしています。また無数の毛細血管も存在し、歯に栄養と酸素を供給する大切な役割を担っています。
しかし神経と離れたところで進行する疾患は、痛みや症状となって自覚した時には疾患がある程度進行してしまっている場合があります。特に歯周病は、自覚症状なく進行する病気で、グラグラするようになってから気付いても最悪は抜歯しか選択肢が残されていないケースもあります。
そうならないためにも、日頃から歯科疾患の有無や進行状況を把握するために定期的に歯科検診を受けたり、歯石を除去したり、歯面をクリーニングしてむし歯や歯周病を予防しておくことが重要なのです。

治療後のメインテナンスこそ重要

歯を治療しても、その後の再発リスクは0(ゼロ)にはなりません。なぜならば過去に歯科疾患に罹患していたということは、治療した箇所が完治しても生活習慣や体質までは簡単に変えられないため、箇所も疾患も同じものが再発したり、他の部位に同様の疾患が起こる可能性は高いのです。つまり歯科疾患の病歴が有ると言うことは、常に再発リスクに備えて定期的に検診や、予防のためのメインテナンスを行う必要があるのです。
特に歯を失った後にブリッジ治療や入れ歯を装着している方は、人工的に咬み合わせを補っている状態です。少しでも支障が出れば、咬み合わせの圧力が偏り、それにより粘膜や歯槽骨など周囲組織に悪影響を及ぼすこともあります。疾患の早期発見にもつながることから、自覚したトラブルがなくても定期的にメインテナンスを行うことをお勧めします。